大腿骨頭回転骨切り術
手術時間 100分
出血量 250cc
入院期間 片側6週 両側2ヶ月
大腿骨頭回転骨切り術は難易度が高い手技であり、私は小児における大腿骨頸部骨折後の骨頭壊死に対し行っております。北は北海道から、東北、関東、中部地方より患者様が集まってくれています。現在ではStryker社製のCT Based Navigationを用い、股関節を三次元的に捉えることが可能となり、なおかつ術前計画を正確に手術中に再現する事が可能となりました。それとともに手術時間の短縮、臨床成績も向上し、スポーツに復帰可能な患児も多く経験しております。小児大腿骨頸部骨折後の骨頭壊死は壊死範囲が広く、通常保存療法では早期に圧壊が起こってまいります。可及的早期に壊死部を加重部より移動させることが必要だと考えております。
Navigation Systemにより、骨切り線の決定は術前に行い、術中に私は軟部組織の展開のみに専念できるため、大いにこの手術の難易度を下げる事が出来ています。術後半年程で、スポーツ復帰する事が可能となる事が多いです。

症例1 15歳 男性 自転車事故にて受傷 D-C IV (福島県より)



手術時間 89分 出血量 400cc

術後1年 ロードバイク復帰
症例2 15歳 男性 自転車交通事故 D-C II



手術時間 120分 出血量 750ml

術後1年 バレーボール復帰
症例3 10歳 女児 遊具より転落 D-C II (熊本県より)



手術時間 145分 出血量 300ml

術後1年 陸上復帰
症例4 化膿性股関節炎後骨頭変形

Hunka分類 Type III(東北地方より来院)


術後2年 歩容・可動域
術後2年 体育に参加可能となった
症例5 14歳女児 浜松より来院 狭義の特発性大腿骨頭壊死症
1.術前

2.機能写真撮影



3.術前評価 ナビゲーションシステムにて術前にあらゆる骨切術のシミュレーションが可能
<準備中>
図3-1 20°内反のSVRO
図3-2 20°内反のSVRO
図3-3 120°PRO10°内反。
新体操に復帰希望であり、今回は健常域の獲得と、脚長差を作らないことを目標に120°PRO10°内反を選択した
4.術後4ヶ月


5.術後11ヶ月 学園祭 術後7ヶ月でダンス復帰
図5-1
図5-2

術後11ヶ月でJHEQ満点
抜釘行い、目下来るべき発表会に向け練習中
両側同日大腿骨骨切り術
大腿骨頭壊死症、特にステロイド性の患者は両側性であることが多く、骨切り術を選択した場合、青壮年の働き盛りの方には長期入院期間や退院後の安静期間が長く、適応にはなりにくい現状がありました。
Navigationを導入した事により、手術侵襲が減少し、両側同日手術が可能となりました。現在まで14人の患者様に手術を行なって、入院期間は2ヶ月、デスクワークの方であれば、術後3~4ヶ月で仕事復帰が可能です。仕事内容により、人工股関をお勧めする事もあります。
この論文の中に軟部展開を含め詳細にNaviを用いた回転骨切り術について記載してあります。
大腿骨球状内反回転骨切り術
手術時間 90分
出血量 200CC
片側・両側 6週
大腿骨頭壊死症に対する骨温存手術術式として、大きく分けて大腿骨頭回転骨切り術と弯曲内反骨切り術がありますが、手術の難易度、手術時間、その後の経過において、適応さえあれば弯曲内反骨切り術の方が優れていると言われています。大まかに言いますと、壊死範囲が広いものは回転骨切り、比較的狭いのが弯曲内反骨切り適応となります。しかし、大腿骨頭壊死は前方に限局している事が多いです。
そこでNavigationを使用し、大腿骨を田川ノミにて球状に骨切りし、内反とともに前方回転を行う手技を2020年に開発し、大腿骨球状内反骨切り術Spherical Varus Rotational Osteotomy(SVRO)として積極的に行っております。


症例1 15歳 男児 大腿骨頭骨折 都道府県新体操強化選手


術前CT 骨頭の前方に骨折を認める


術後1年3ヶ月 競技復帰第1戦
症例2 小児大腿骨頚部骨折後壊死 D-C II 14歳男児 長野より来院
1.受傷時


2.受傷後1年 広範囲壊死 車椅子にて来院 歩行は不可能であった

3.機能写撮影
A 30°外転位 単純な弯曲内反では健常域が得られず手術不可能

B 90°ラウエン 130°ラウエン像でも健常域存在せず、ARO PROとも不可能




4.C SVRO用の放射状CTにて 若干の健常域を確認、20°内反40°前方回転のSVROとした

5.術後 レントゲン MRI


6.術後1年 抜釘後


7.術後1年 若干の跛行はあるが歩行可能となった
棚形成術
手術時間 片側2時間 両側4時間半
出血量 片側で100cc程度
入院期間 片側 4週 両側6週〜8週
臼蓋形成不全の患者様に対し、45歳未満の方が対象となります。
通常の保存療法、リハビリが無効であり、股関節の加療に時間を取れる方。
臼蓋形成不全に対し様々な骨温存手術がありますが、当院では、侵襲が少なく、骨温存破綻後の治療の際にも人工関節自体の難易度を極力高めない手術を施行しております、棚形成術は腸骨という骨盤から骨を採取し、臼蓋外側に骨溝を作成し、差し込むだけの単純な手術ではあります。こちらもNavigation system を使用し手術を行い。移植骨の高さだけでなく、打ち込み角度、また前後の移植位置、骨片の前方の被りなど三次元的に正確に設置できるようになりました。それにより現在のところNavigation systemを用いた棚形成術を35例行っておりますが、術前の疼痛が術後1年で84.4%の改善を認めています。
実例



